並ゲームプログラマの書き捨て場

ゲームプログラマやってる私の日記、雑記、備忘録、公開場所

ラーメン屋に行った

らめぇぇぇん!djannです。


とある都内のラーメン屋にいった。有名かどうかは知らないが、そこではとんこつラーメンが売り、というかとんこつラーメンしか取り扱っていないようだ。社会人になるまで福岡で過ごしてきた私は、とんこつラーメンには一家言を持っているつもりだが、この店のラーメンはとても素晴らしかったので紹介しようと思う。


さて、券売機でチケットを買い店員に渡して少し待つとラーメンが出てきた。まずは香りを楽しもう。外に香っていたものとは違いとんこつは一切の主張を禁じられているようで、油の絡みついてくる香りが主となっている。トッピングはメンマにチャーシュー、ネギに海苔と、九州的なシンプルなものだ。

スープを一口すする。とても濃厚なスープだった。とんこつの味はほぼ感じられず、代わりに飲むと喉が痛くなっていくという、関東では稀に頻繁にたまによく遭遇する濃さを持ったスープだ。意識して飲み進めると、少しずつ頭も痛くなってきた。忙しい現代人に、病欠という休息をプレゼントしようとしてくれているのかもしれない。実に素晴らしい。

次にメンマだ。かなり太めで、1~2cmほどの太さがある直方体の形をしている。かじると中からは甘みが噴出してきた。
じっくりと味が浸透しており、スープの中に入っているのに外も中もとても冷たい事を除けば、非の打ちどころがない。この冷たさは「これが歯に沁みるようなら早く病院に行こう。」という早期発見を促す為のギミックなのだろう。

さて、ではメインの麺に行こう。福岡!と銘打っているだけあって、ストレート麺のようだ。太さは細麺にしては太く、太麺にしては細い。中麺という太さはあるのだろうか?ラーメン知識があるというわけではないので分からない。
麺を箸でひきあげ、一気にすする。元々とんこつ味がそこまで無いスープだったが、更に麺へほとんど絡まずその油分だけが麺へ染みついてくる。そのまま口の中が一気に油で一杯になる。身体中がべとべになってしまったかのような錯覚に陥ってしまった。身体の潤いが足りない人達へ配慮してのことだろう。きっと食べた後は、50代の太ったおじさんのようにモチモチとした肌になっていること間違いなしだ。

この素晴らしいラーメンの中、救いとして現れたのは海苔である。何とも言えない、何とも言いようのない、強いて言うとするならば、普通である。油臭くもなく、冷たくもない。ただしなびているだけで、とても普通の海苔だ。口に入れるとギシギシと音が鳴る。スープに染みさせても半端だとギシギシと鳴りつづける。きっと強靭な肉体に鍛え上げた海苔なのだろう。味は本当に普通だ。海苔だ。多分海苔だ。ノリは悪いが。

麺以外のメインを張る具材、チャーシューを食べてみると、舌の上でとろけた。見事に油と脂とアブラに変換された。そして口の中には、子供の頃に行った病院を思い出させる薬の香りが一杯に広がり、自分は今不健康であると少しずつ洗脳されていくようだった。そしてこちらも、メンマと同様に冷たい。スープに浮かぶ、風味とベトベト感のみでしか自己を主張出来ない油も温かくないので、もっと深くまで埋め込んで温めるべきだったのだろう。チャーシューはさすがメインを張る具材なだけあって、きっちりと他の具材等の悪い所の集大成 + αに仕上がっていた。一口食べれば頭痛がし、二口食べれば胃がもたれ、三口食べれば吐き気がする。今までにこんな食べ物は食べたことがない。素晴らしい。



ここまで書いた通り、ここのラーメンはとても素晴らしいものである。何より素晴らしいのは、来る度に「もう二度と来ない」と思っているにもかかわらず、たまに無性に「行かないと!」という気分になってしまうところだろう。
さて、最後になるが、あえてこの店の名前は出さないでおく。これを読んだ人にも、是非この素晴らしい店に出会ってしまい、店を出る時に後悔してほしいという慈愛に満ちた私の心遣いである。